ayako_no7の日記

シュート!にまつわるあれこれを残す場所。 原作オタク。

シュート! Goal to the Future 第1話感想

2022年7月2日、神谷篤司が頭に猫を乗せた記念日である。

シュート!の続編が令和の世に作られるというのは、90年代当時の記憶をしっかりと残している原作オタクの私にとって朗報なのか悲報なのか判断がつかないものでしたが、見ないという選択肢はなかったので、AT-Xリアタイすることにしました。

感想はいろいろあるんですが、EDで神谷さんが頭に猫を乗せているカットに思考能力をすべて持っていかれたので、まずその話をしよう。神谷さんは当時から人気のあるキャラクターでしたが、登場するときはだいたい「サッカーの試合」「サッカーの練習」「サッカーの試合観戦」のどれかをしているので、日常生活の描写が驚くほど少ないのである。原作は66巻もあるのに、私服で登場したことすら3回くらいしかない。しかも私服は微妙にダサい。

主人公じゃないので仕方ないといえばそれまでですが、それでは満足できない神谷篤司オタクは「こんな服着たらいいのに~」「教室ではこんな感じ~」などと妄想してきたわけです。

それが令和の世になって、猫を頭の上に乗せてちゅーる的なものを取り出すという二次創作にしか存在しなかった神谷篤司が急に公式になり、あまりにびっくりして夜中に奇声を発するところでした。ええええ…かわ、かわいいんだけど…?このEDを見るために毎週見るしかなくない…?え?神谷さんどうしたの?この神谷さんならキャラソンとか出しそう。とりあえず猫を乗せてくれた人と乗った猫にお礼を言いたいですありがとうございます。

あと神谷さんがスマホを使っていてヒャアってなりました。いやもう令和の世の中なのでスマホくらい普通に使うだろって話なんですけど、何せ原作ではインターネットのイの字もない90年代前半に高校生やってた人なので、二次創作の現パロを目撃したような衝撃がある。あ~そのスマホに赤堀さんとか大塚さんとかトシとか和宏とかマホとか斉木さんとか内海さんの連作先が入ってるんですよね?プライベートの写真とか入ってるんですよね?夢があるわ…。

ストーリーのほうはというと、予想外に楽しめました。まず、サッカーにトラウマを抱えていてサッカーから遠ざかっている主人公というのは新しい。原作だと基本的にみんなサッカーが大好きで、サッカーやりたくて仕方ない子ばっかりなので。虚無な感じでFPSやってるのが現代っ子って感じです。

回想シーンから察するに、幼なじみの小久保くん(この名前が意図的だわ~)とコンビを組んでいた頃はバンバンシュートを決めるストライカーだったのに、小久保くんがいなくなった途端に決まらなくなったって感じなのかな?小久保くんだけ秀人を「しゅーと」って呼んでるのがかわいい。

FPSでミスってフレンドと「フォローがない」「オレらのせいかよ」とギスギスしたところで、シュートが入らないことをチームメイトから責められた過去がよみがえり、荒れる秀人くん。情緒が不安定すぎる。サッカーのことはおいとくとしても、パーティー組むオンラインゲームではミスを責める人とか他人のせいにする人がいると絆崩壊確定なので、個人的には最初に秀人を責めたフレがよくないと思います。

ここで秀人の家のリビングにあるテレビで掛高サッカー部の話題が流れるんですが、ヤマ○FC時代の久保神谷が一瞬映ってにっこりしました。後頭部がシャキシャキしていたころの神谷さんです。でもこの写真、ここではちゃんとヤマ○のユニフォームなのに、あとから出てくるのは同じアングルで違う服なんだよね。謎。

1話終盤では噂の小久保くんも登場したことだし、きっと次回あたりで秀人の過去が明らかになるのでしょう。秀人はお母さんと2人暮らしみたいですが、これお姉さんだったらいいな。大原姉弟みたいな感じで。

サッカーシーンはというと、原作&旧アニメではHPを消費する感じだったのが新アニメではMPを消費する感じの演出になっていました。異世界系のアニメと思った。メインキャラの中では掛高サッカー部に憧れて入ってきた熱血な風馬くんがよかったです。背番号7番だしがんばってほしい。たぶん神谷篤司本人よりオタク(私)のほうが7番に対する思い入れがある。

肝心の神谷さんはものすごい冒頭から出演していましたが最初はどう見ても不審者です。なぜそんなに神出鬼没に秀人を…?秀人の過去や実績を知っていてチームに引き込む目的だったのかな?PK勝負のあと、風馬くんから「神谷篤司だ!」って言われてたけど、「掛川高校出身でイタリアのセリエAで活躍した(元)日本代表」的なセリフがないと、原作知らない人とかPV見てない人に伝わらなくない?回想シーンで「あ~卒業生なのね」っていうのは分かるけど。イタリアと日本代表はぜひアピールしてくれよ~、これじゃあなんか暇なOBが来たみたいな感じに受け取られても仕方ないぞ…。

アラフォーの神谷さんは不審な闇のオーラを放ってるように見えるかもしれませんが、久保さんとともに掛川高校サッカー部を創った当人であり、冬の選手権とインハイ連覇したときのキャプテンだったんですよ。17歳でイタリアに渡ってセリエAでプレーしたすごい人なんですよ。とここでアピールしておきたいと思います。

神谷さんが掛高サッカー部のコーチに就任したきっかけは、磯谷先生に推薦されたからという割とあっさりした感じでした。ここリアリティー出すなら、地元でプレーしてた健二・佐々木・新田あたりがコーチには適任だろう。でも原作ファンを新アニメに呼ぶには神谷さんが最適解なので仕方ありません。

神谷さん本人はコーチにめちゃくちゃ乗り気という感じではなく、PK勝負を見つつ心の中で久保さんの「神谷…後は頼む」という声を心の中でリフレインしています。そこで秀人のシュートを見て最終的に決意した感じかな?秀人と風馬くんのPK対決では秀人の才能の片鱗が見えるわけですが、風間くんはフィールドプレーヤーだけどGKもできるんですかね。PKって蹴る方が有利なのに半分以上入ったら勝ちなのか?といろいろ謎が多い。

そして高校生のコーチやるくらいだから現役引退してるんだろうけど、自分のサッカーで行けるところまで行く日々が終わってしまって、神谷さんもちょっと立ち止まってるのかな…と思うと切なくなった。セリエAでの華々しい活躍がほぼ描かれないまま引退後の神谷篤司を見るのはつらいんですよねやっぱり。サッカーしてる神谷さんをもっと見たかった。

スポーツ選手だから引退を免れることはできないわけですが、それまで一体だった自分のサッカーと自分自身が少しずつ剥離していって、ピッチを去ることを決めて心の中に新しい虚無が生まれたときに、神谷さんが戻ってくるのは久保さんのところなのか……。「神谷…あとは頼む」を数十年後のサッカー部のことにまで当てはめるのは明らかに拡大解釈なわけですが、自分が立ち止まってしまったタイミングでコーチの話が来て、そこに久保さんのこの最後の言葉が浮かんできたんだろうな~と思っています。この一言がなかったら受けてないよねきっと。

神谷さん大人になったけど、今でもどこかに16歳の神谷篤司がいるんだな。余談ですがあなたのオタクも25年前とまったく同じテンションです。

しかし新アニメでは、神谷さんの現在のアレコレとか久保さんのエピソードとかどの程度出てくるのかまったく分からなくてガクブルものだったんですが、第1話を見た感じではあまり深く掘り下げないような気もする…。いにしえのオタクにとっては死活問題ですが、新アニメのストーリー的にはそこまで重要じゃないし。

そしてCM前?あけ?の秀人が歯みがきしてるワンカット、これ毎週変わるならそのうち神谷さん出てくるでしょ。それからEDの謎ダンスは、いちおうサッカーアニメなんだからリフティングにしたほうがよかったと思う。

回想シーンの掛西トリオと神谷少年はかわいかったです。毎回静止画でいいんで原作キャラを出してほしい。

(たぶん第2話につづく)