ayako_no7の日記

シュート!にまつわるあれこれを残す場所。 原作オタク。

シュート! Goal to the Future 第11話感想

サブタイトルは「左足」。チャラくなったトシが秀人に左足のシュートを教え、掛川が10人で藤田東と試合を開始し、途中で秀人が合流して仲直りをしてあっさりと勝つ回です。

今回の話もふんわりサッカーと感情メーターが100とマイナス100しかない人々による疲れる展開でしたが、話の流れとしては予想の範囲内だったので致命的なダメージを負うことはありませんでした。しかし冒頭でトシの蹴ったボールが看板のすき間?と通り抜けて茂みに消えて、同じスピードかつ同じ軌道で返ってくるという物理法則を完全に無視した動きをしていて変な声が出た。秀人に誰何され自分で「サッカー大好きお兄さん」と名乗るトシ。お前そんなキャラじゃなかっただろ?スペインで何があった?億を超える年俸がお前を狂わせてしまったのか。それはどちらかといえば馬堀に似合うセリフです。

秀人の脚の筋肉をチェックし、秀人の右側に壁(掛川城の石垣)を置いて左足のシュートをさせるトシ。あんな狭い観光地でボールを蹴るなよ!迷惑だろ!この壁を使った練習は原作で久保さんがトシにやらせたもので、それまで左のシュートが苦手だったトシが軸足の位置を矯正することによりのちに幻の左と呼ばれる強烈なシュートを身につけるきっかけとなるわけですが、原作オタクにしか分からないことを説明なしでぶっこんで新アニメ勢に意図が伝わるのだろうか。ていうか監督のおっさんも自分で教えなよ。

つまり秀人はトシに匹敵する左のシュートの持ち主で、なおかつ司令塔としての能力も高く、掛川の10番とトシの左足を受け継ぐスーパープレイヤーなんだ!ということですね。説得力が皆無だけど。このとき秀人の蹴ったボールが文化財的な建物の壁で跳ね返ってくるときもまったく同じスピードかつ同じ軌道で跳ね返ってきてて、こんな物理法則が働く世界でサッカーするのは大変だろうなと思った。でも壁が壊れなくてよかったね。トシだったら壊してるわ。

さて試合はというと準決勝の藤田東戦です。会場はエコパにそっくりな静岡スタジアムという競技場です。俯瞰図が無駄に3Dだった。マネ情報では半数が静岡県選抜と強敵であることを匂わせてきます。藤田東にはなんか双子みたいにそっくりな子がいて、マジックシザースとフラッシュパスの混合技でも出すのかと思ったら結局何ひとつ藤田東らしさを出すことはなかった。もう原作の強豪校出すのやめてくれよ。全部知らない学校でいいよ。原作の強豪校はどういうところが強いのかがちゃんと描かれてたし、ライバルも魅力的なんだよね。原作でハッキリと負けたって描かれたのも、久保さんがいなくなった次の日の藤田東戦だけなんだよ。その後の決勝戦での加納さんと神谷さんの1対1は熱かった。負けたくない!負けられない!っていう神谷さんの気迫がかっこよかったよな~。加納さん試合見てブチギレてないですか?

そして強豪校相手なのに10人で試合を開始する掛川。なんでサッカーアニメなのに11人でやる試合がこんなに少ないんだよ!全国を目指すなら土下座してでも控えを入れろよ!!キーパーがキャプテンひとりなんてありえんだろ!!監督のおっさんは先週10人で勝てる作戦を立てるみたいなこと言っていましたが、それが開始5分で点を取りオフェンスを減らして守りを固めるというふんわりとしたものでした。うん、誰にでもいえそう!

しかしそんなにうまくいくはずもなく、メガネがパスを出すもののスピードスター佐原は追いつきません。お前スピードスターなんじゃなかったのかよ!今すぐ廃業しろ!スタンドに駆けつけた秀人の目の前で2点目を取られる掛川。ピッチの選手たちも秀人に気がつき、メロドラマが始まります。これ最初、得点されたタイミングとはいえ試合中だろ?と思ったのですが、録画を見返してみたところ得点の直後に笛が吹かれているので前半終了してたらしい。サッカーの描写が適当すぎるわりに、それだけでハーフタイムだぞお前ら!と伝えるスタイルなのかよ。

ハーフタイムはメガネがピッチでジョーへの愛を叫び、ジョーに抱きしめられながら秀人に謝るという展開です。本人が公にしたがっていない過去のことを掘り返すというのは陰湿ないやがらせに思えるんだけど、秀人は過去の自分を許せないんだ!となんかいい話っぽい感じになり、秀人がチームに合流します。

ていうか負けてる試合のハーフタイムでメロドラマをやるな!!どうやったら勝てるか考えろよ!!!と思っていたのですが、結果的に秀人が来ただけですべてがうまくいきます。つまり秀人の退部届を保留していたことが監督のおっさんの最大の功績というわけですね。そりゃ隠し持ってた退部届見せてドヤ顔もするわな。

このアニメはBLだなんだとさんざん揶揄されていますが、私個人としては別に男が男を恋愛対象として好きでも心底どうでもいいんですよ。個人の性的指向の問題だし。メガネがジョーを恋愛対象として好きならそれがメガネという子のパーソナリティーなんで。腹が立つのは「シュート!」の看板を背負っていながら、サッカーと真剣に向き合っていない描写が多すぎることです。制作側の事前のコメントで人間関係を中心に描くと明言されていましたが、それは決してサッカーをおざなりにするという意味ではないはずだ。

秀人が入った後半戦、監督のおっさんの指示はFWは動け!DFは守りを固くしろ!というものでした。ふ、ふつーすぎる!藤田東のキーパーはメガネなんですが、この子はちゃんとしたストーリーだったら人気出そう。そしてジョーはメガネキーパーが伸ばした手よりも高く飛んでヘディングを決めていました。どうも今回はいろいろと物理法則が乱れている気がしてならない。そして放送初回からジョーが「見えねえ~」と言っていた秀人の謎シュートですが、メガネキーパーが「インパクトの瞬間が見えない」とやっと詳細な?説明を?してくれた。蹴るのが速いっていう意味なんだろうか?知らんけど。高校時代のトシと和広の写真が出ると、いつも左端で喜んでるマホがかわいいなと思っています。顔写ってないけど。

場面は変わって掛高の部室でのトシ。回想シーンがあってトシに「サッカー好きか?」って聞いたときの久保さんが出てきた!これはちょっとテンション上がったんですが、次の瞬間には「ついにあと2回で過去のことが描かれてしまうのか…」と恐ろしくなりました。しかしトシは高校時代の記憶を失ってないか?この問いかけの直前に神谷さんを掛高に誘った話があるからこその「サッカー好きか?」だと思うんだけど。久保さんも命をかけて問いかけてるわけじゃないと思うんだけど。トシの無邪気な「はい!」っていう返事が久保さんは嬉しかったと思うよ。しかしトシにこんなセリフを言わせるなら、サッカーは2番目に好きとかいうキャラを出すなよ。サッカー好きか?っていうのは別に、あなたはサッカーが好きですか?って聞いてるだけじゃないんだ。ここ、トシの一人称がボクになっているのも謎なんだよな。

予告のアンサーはトシでサブタイは「孤高」。たぶんこれは公平のことかな?来週は野間田との決勝戦が始まるんですかね。もう作品サブタイ通り未来のことだけやっていてほしい。過去のことはほっといてくれ。原作オタクは静かに眠りたい。

(第12話に続く)