ayako_no7の日記

シュート!にまつわるあれこれを残す場所。 原作オタク。

シュート! Goal to the Future 第3話感想

神谷篤司(とそのオタク)を殺すには たった一言あればいい

ということを確信した第3回です。

このアニメ、予告のナレーションを声優さんが順番に担当するっぽいですが、今週の担当は神谷さんでした。そこでいきなり「ああ、それだけなら誰にも負けねえ」と言われ、思わず深夜に取り乱さざるを得なかった。久保さんの10番を背景にいきなり殺し文句をぶっこむなよ。

このセリフが何なのかを神谷篤司オタクに説明する必要はないのですが、そうでない人向けに念のため記しておくと、久保さんの「サッカー好きか?」という問いかけに対する答えですね。「サッカー好きか?」はシュート!における名言として広く知られているもので、一般的には久保さんがトシ(原作の主人公)に対してかけた言葉と認識されています。

しかし作中の時系列でいえば、久保さんが生まれて初めて「サッカー好きか?」と問いかけたのは神谷さんなのである。このことを神谷篤司オタクは何百万回でも言います。

しかもこのときの「サッカー好きか?」にはほかの「サッカー好きか?」と違う特別な意味があり、ちょっと重みが違うことを言っておかなくてはいけない。

まず作中で何度か出てくる「サッカー好きか?」のセリフは、基本的に試合直前のタイミングでこれから一緒にサッカーをするチームメイトに対して発せられています。しかし久保さんが神谷さんに対して「サッカー好きか?」と言ったのは夜の公園であり、試合中でもなんでもない。当時同じクラブチームでプレーしてた2人は中学3年生で、進路について話しています。つまりどこの高校でサッカーをやるか?ということですね。令和の世の中ではそのままクラブチームに所属してサッカーを続けるのが一般的かと思いますが、Jリーグがなかった連載当時、もっとも注目度が高いサッカーのコンテンツは高校サッカーであり、久保さんも高校選手権に出て国立競技場でプレーすることをひとつの目標にしていました。

ジュニアユース代表にも選ばれてすでに天才の名をほしいままにしていた久保さんには強豪校からスカウトが来ていたものの、本人はすでに整えられている道を歩くことを選ばなかった。新設校に入って「メンバーの個性を引き出せるサッカー部」を一から作りたいと願い、神谷さんにも一緒に来てほしいと思うわけです。

でも、新しく作ったサッカー部が成功するとは限らない。神谷さんの3年間を無駄にしてしまうかもしれないと悩みつつそれでも神谷さんと一緒にやりたくて、どうやって誘おうかあれこれ考えたあげく、結局神谷さんの前に立つと何も言えなくなって、そこで出てきたのが「サッカー好きか?」の一言なのである。詳しくは「久保嘉晴の伝説」と単行本6巻をご覧ください。ここの2人は、お互いに「高校でもお前と一緒にサッカーがしたい」と思ってるのに、なかなか素直にそれを伝えられないのがかわいいんだよね。

何が言いたいかというと「サッカー好きか?」はサッカーバカにとって最上級の口説き文句であり、「それだけなら誰にも負けねえ」はそれに対する最高の返答なのである。新アニメの神谷さんの声優さんはセクシーボイスすぎて中3には思えないけど、声優さんの演技によってキャラクターの声が三次元に来るとインパクトが違うな〜と実感しました。しかしこれは単なるオタクへのサービスなのか、それとも4話で過去の話を織り込むってことなのかが分からなくて不安だ。このアニメ予告のセリフにあんまり意味がないっぽいからな…。

さてアニメ本編です。朝5時半にちゃんと学校に来た神谷さんえらいね。いや、15歳のときも5時半に来てたけど(詳しくは「久保嘉晴の伝説」をご覧ください)。秀人をサッカー部に引き込むくだりはそこまで強引じゃなくてよかった。秀人がきたことでスタメン落ちした佐原くんは今後一波乱あるでしょう。サッカー部員たちに対し、2週間はボールを蹴るの禁止、2週間後から練習試合、1ヶ月以内に1勝もできなかったら廃部と言い放つ神谷さん。「廃部でよくね?」と思った私。だって久保さんと神谷さんが作ったサッカー部だもん。勝てなくなって部員が減って廃部になるより、神谷さんが粉々にしてくれたほうが原作オタクが浮かばれるというものです。

今週の神谷さんは、秀人を家庭科室に呼び出してカレーを作らせながら下半身を鍛えたり(?)、「掛川に帰ってきたから茶が飲みてぇ。茶っ葉からな」と地元をPRしつつ部員にランニングさせたりしていました。掛川観光大使を兼任してますか?先週までが衝撃の展開すぎたせいか、すごく「普通のアニメ」を見ている気分になる。神谷さんの言動はアラフォーだと思うと大人げないけど17歳のときの面影がチラつく。新アニメの神谷篤司は私の知ってる神谷篤司とは別人なんだ!って思えたらそこまで情緒を乱されなくて済むと思うんだけど、私にはそれができない。どうしてもあの髪の毛ツヤツヤの神谷篤司の中に、私の人生を狂わせた神谷篤司を探してしまうのであった。

そして先輩が陰で「チームワークを乱すようなことはやめてほしいよな〜」と言っているのを聞いてしまう秀人。30年前の菊水東中学校を再現してますか?斉木さん見てるー?これ、神谷さんと秀人を重ねてるなって取れるわけですけど、そこまでの意図を込めたものなのかどうなのか、イマイチ信じ切ることができない。ただ、ED曲のPVに出てきた「お前のサッカーはどこでやるんだ?」の布石にも見える。今週は先輩たちがキレてサッカー部から去ろうとする展開があったので、秀人が責任を感じて退部届を出す→お前のサッカーはどこでやるんだ?の流れだろうか。予告のナレーションもふまえると、神谷さんが過去に部活をやめたことに触れる展開も考えられるよな〜。そのへんは原作に忠実にやってくださいお願いします。

そして来週からは練習試合が始まるそうです。てことは掛川北とか藤田東とか清水学苑とかのライバル校が出てくるってこと?ほかの高校がどんな強さなのかは分からんけど、ふつうに考えたら弱体化した掛川が勝つの無理だよね〜。1勝する相手として再び野間田が出てくるってことかな。私は掛川北のコーチとして斉木さんが出てくるのを期待しています!

あと今週はシュート!名物の紅白戦(ミニゲームだけど)がありました。サッカーについては特に感想はないというか言及を避けます。

それから秀人のお父さんの名前が明らかになり、原作に出てきた誰かの息子という線がほぼ消えたのでホッとしてます。最悪アツシカミヤの隠し子だったらどうしようとかチラッと思ってたのでよかったです。秀人と風馬くん&メガネが仲良くなれたのも安心しました。秀人の心理描写は正直よくわからん部分もあるけど、このお年頃は複雑なんだよねきっとね。神谷さんたちはわりとそのへんシンプルだったのでギャップを感じる。

今週の神谷さんはわりと神谷さんらしい描かれ方で、でも掃除、あいさつ、用具の手入れ!と部員たちに言うあたりが大人になったな〜としみじみしました。なんかでも予告の一言で情緒を乱されまくった感がはんぱない。これ出先で書いてるんですけど内容が半分くらい頭の中から飛んでいます。帰って見直してから書こうかとも思ったけど逆に臨場感あるかなとも思うのでひとまずこのままにしておきます。

 

(第4話に続く)