ayako_no7の日記

シュート!にまつわるあれこれを残す場所。 原作オタク。

限界オタクが初期の馬堀圭吾について語る

私のシュート!における推しは神谷さんでそこはもう不可侵領域なわけですが、その次に誰が好きかといわれればダントツで馬堀です。なのでここで書くのは馬堀圭吾についてです。

馬堀は久保さん亡き後(おそらく夏休み明け?)にブラジルから転校してきたので、初の全国優勝を飾った冬の高校選手権に出た選手の中では唯一、久保さんと面識がありません。公式から出てる「THE FINAL INDEX」によると、最初はつながりがある設定だったそうですが、いつの間にかどっかにいったらしい。4部で間接的なつながりがあったことは匂わされてますが、馬堀本人が「久保さんって人」と呼んでいるので、会ったことはないでしょう。

初登場はコミックスでいうと8巻、話数でいうとおそらく65話。ここからトシが10番を受け継ぎ、トシ本人が自分は久保さんとは違うと自覚するまで(11巻の清水学苑戦が始まるまで)が、神谷キャプテン率いる掛川が未来へ進もうともがき、殻を破ろうとしている時期だと思っています。この時期の馬堀がかなり好きなので、追っかけながらみていきます。←たぶん私だけが楽しい。

さて馬堀くんに最初に与えられた役割は異分子です。サッカー部員が揃ってランニングするなか1人だけ柔軟をして、参加しろといわれても「アップはいつもストレッチを重点にやってるから必要ない」と言い放つ。外国帰りということを差し引いても、かなりの強心臓の持ち主であることは疑いようがありません。一気に部内が険悪なムードになって仕方なくランニングに参加するものの「考えて練習してんのかな」と心の声がダダ漏れです。

このへんのエピソードはわりと重要な伏線になってくるんですが、私はもうこの時点でマホが好きでした。神谷さんはちょっと怒ってますが、ここはマホの肩を持ってしまう。みんなで一緒に走る必要ないじゃん(団体競技とかしたことない人の意見)。

あと、このへんは読み返してから気付いたんですが、マホはトシと年齢が同じで身長体重もほぼ変わらない(トシ172cm60kg、マホ172cm63kg)わりに、トシよりも一回りがっしりした体格に描かれてるんですよね。ちゃんとサッカーするための体を作ってるなっていうのが分かります。ちなみに以後も、試合前とかにさりげなくストレッチをしている描写が出てくるのでチェックしてみよう。

さてさてサッカー部では若干浮いているマホですが、教室では人気者です。女子にはカッコいいと噂され、文化祭のねるとん(これ今の子には通じないだろ)のために女の子に声をかけ、男子生徒からは「部活入ってないなら(文化祭の準備を?)手伝ってくれ」といわれる。転校してきたばかりなのに、トシよりもクラスになじんでそう。このコミュ力の高さが陽キャ現代っ子ぽくて、健二や一美をはじめ90年代のカラーが濃いキャラクターの中ではわりと異質かもしれません。

そして部活ではまたランニングではなく柔軟に一生懸命で、大塚さんに目を付けられるマホ。神谷さんはここで態度を変えて「ほっとけ」と言い出します。

このときのマホは、練習でケガしないようにとかきちんと理由があるから柔軟をやってるわけで、ランニングしてたら自分に必要なアップができないから優先してるだけなんだよね。決してやりたくないとかサボってるとかではない。本人もランニングは必要だってちゃんと言ってるし。

一方で大塚さんたちは決められたメニューをこなすが一番の目的になってしまっていて、目的と手段のはき違えが起こってるわけです。マホは「アップをする」のが目的なのに、そのほかの部員は「メニューをこなす」のが目的になっちゃってる。

ちょっと本題から外れますが、このときの神谷さんの苦悩はすごかっただろうな。サッカー部から久保さんが抜けたのは精神的にも技術的にも大ダメージで、どっちも立て直さなきゃならない。しかもサッカーを離れたところでも親友であり、入学前からコンビを組んでた自分が一番深い傷を負っているにもかかわらずですよ。技術的には大きなプラスになりそうなマホが入ってきたものの、その言動が部員たちを逆なでするもんだから雰囲気は最悪。でもここで「全部投げ出してサッカーから離れる」という選択肢が1ミクロンも出てこないのが神谷さんらしいと思う。サッカーへの愛と精神力が強すぎる。

さて、モダモダした文化祭が終わると舞台はサッカー部へ。ここからマホが私物ではなく「KAKEGAWA HIGH SCHOOL SOCCER CLUB」のTシャツで練習に参加するようになります。マホがテクニックのあるプレイヤーだということが分かってきて、部員の中でもおとなしい組の赤堀さんや新田くんはマホと一緒に練習するようになりますが、健二や大塚さんはますます反発していく。ただ神谷さんは遊んでるわけじゃないからといってどっちの肩も持ちません。

ここで一番問題なのは大塚さんだよ。副キャプテンなのに反マホの先陣を切っているので、神谷さんがめちゃくちゃ孤立している。極めつけに「久保がいれば自由にさせちゃいない」と神谷さんの目の前で言う。大将も悩んでるんだよ~分かってやってくれ。そんな「お前じゃダメだ」みたいなこと言ってやるなよ…。

このあたりは掛西トリオの心境もそれぞれで、健二は「馬堀ムカつく」、トシは「どうしたらいいか分からない」、和広は「変わらなきゃいけない」という感じ。和広は本当に聡明だな。

そしてついに、マホと健二のケンカに発展してしまうわけです。悪いクセを直す練習をずっと続けても意味がないというマホと、久保さんの残したものを大事にしたい健二。マホに一理あるわけですが、健二は一度ボスと決めた人にとことんついていく性質があるので、この衝突は致し方ない。ついにトシが「お前のせいで部内がめちゃくちゃになってる」とマホを責め、マホが「いつまで死んだ人にこだわってるんだよ」と言って場を凍りつかせます。

私はこのときのマホの、怒っているようでちょっと寂しそうな、苦しそうな表情がめちゃくちゃ好きなんですよ。クラスにすぐに溶け込めるマホの性格からいって、サッカー部員のことは無意識下で仲間だと認識していると思うんですよね。他人を自然と自分の内側に入れるタイプというか。仲間だと無意識に思ってるからこそ、いろいろ言葉が出てくるんだと思う。「こいつら言っても無駄だな」って思ったら、何も言わずに辞めればいいだけなので。だからマホのちょっと寂しそうな表情がとても切ない。自分は仲間だと思ってるのに、周りからはそう思われてないんだもんな。

そしてこのあとは、サッカー部がまとまるきっかけになる紅白戦です。自分が決めたメンバーは替わってもいいという神谷さんに対し、「21対1になる」という健二、まだ怒ってる顔のマホ。でも馬堀チームに入った和広がこれで構わないと発言したことで、空気が変わっていきます。トシはこれを「一美を自分の家に泊めたことを和広が怒っている」と取るわけですが、今回の本題と関係ないので割愛。悩みが多いやつだな。

この紅白戦は、シンプルに表現すれば馬堀v.s.反馬堀。組み分けを考えた神谷さんは本当に全員のことをよく見てると思う。ただこれでうまくいくかどうかは、多少は賭けみたいなところもあったんじゃないかな。このあたりの神谷さんは本当に言葉が少なくて、悩んでるんだろうな~と思ってます。

試合は作戦を柔軟に組み立ててきた馬堀チームが2点リードで、反馬堀チームはお通夜状態。神谷さんが放つ「今のお前ら見比べりゃわかるだろ」のひと言が重い。また久保さんのことを口にする大塚さんに対し、トシが「オレたちで考えましょう」と言って、後半は掛高らしいサッカーが始まります。

このへんのおもしろさは、後で出てくるクリエイティビティとイマジネーションのサッカーに通じるものがあるな。これでみんながサッカーの楽しさを思い出して、わだかまりもとけていって、物語は次のフェーズへ。ところで紅白戦でマホだけスパイクじゃない靴を履いてるのはなんでなんだろう?謎です。

さてマホの次の役目は、掛川センターハーフです。レギュラー発表とユニフォーム配布のエピソードは、アニメではトシが10番を受け取る前にマホが11番(トシが最初に付けた番号)を受け取る演出が入っていて細かいなと思った。マホが久保さんのポジション(センター)に収まり、司令塔の神谷さんをあえて左に置く掛高独特のフォーメーションは、あとで斉木さんが有効性を解説してくれますが、このときは「とりあえず」なんだよね。結果オーライというやつかな。

ここからマホは試合中にとにかく解説に「久保の穴を埋めている」と連呼されるんだけど、そもそもポジションが同じなだけで、チーム内での役割も得意なこともまったく違うから、単に穴を埋めてるだけじゃないのよ~。でもたぶん本人は久保さん知らないから気にしてないと思う。

ここからの掛川の試合で、神谷さん←→マホのホットラインは何回も出てくるんだけど、さら~っと描かれててあんまりフォーカスされないのよね。注目してみるとマホの有能さが分かるのでぜひ見てほしいと思っています。

選手権の予選がスタートする前に、東京行きのエピソードがあります。マホが一美を誘って結果的にトシと和広も来て4人で東京へ行く話。「男と行くより女の子と行くほうが楽しい」というシンプルな結論がラテンだよな~。トシと和広が一美を好きって知ってても「手は出さないけど友だちとして一緒に遊ぶ」っていうスタンスなんでしょうきっと。この軽さがマホの魅力なんだよ。そして電車に乗るから酔い止め買ってきた!というのがかわいい。乗り物酔いする体質なのね。ブラジルから飛行機で来るの大変だったでしょう。そしてただ東京観光するだけじゃなく、帝光を見にいこうと言い出すあたり、ちゃんと部のことを考えてるんだよね。軽いけどいい加減じゃないしサッカーにはすごい真剣で、そのギャップがいい。そして電車では行きも帰りもちゃっかり一美の隣をキープしている。ちなみにここのエピソード、アニメではなぜかマホ・トシ・和広ではなく、掛西トリオに変更されています。なんでやねん。

そんなこんなで選手権の予選が始まり、初戦は金森高校です。ここでマホはいきなり2得点を上げるんだけど、これは先生の読者サービスだと思う。もしくは損な役回りを引き受けたマホへのごほうびかもしれない。

そして泥だらけの横賀戦、大勝した沼津中央戦、桜ヶ丘戦を経て、私の大好きな富士島南戦です。美奈子ちゃんに「久保くんにそっくり」といわれたトシが久保さんの真似をして神谷さんの「戻せ」っていう指示を聞かず、1人で突破しようとしてまんまと敵の罠にひっかかり、大ピンチを迎えるやつ。カウンターをくらって健二も逆に振られて、失点か!?っていうところをマホがスライディングで阻止し、神谷さん→和広と回して決勝点を取るところですね。

まずスライディングしたときの横顔が真剣でめっちゃいい。マホは基本的に顔がかわいいんですが、男の子のかわいさとたくましさがしっかり出てるのがすごい。そして全員が戻りきれてなかったところ、中盤からゴール前まで来てチームのピンチを救う有能さ。ここ神谷さんがトシのフォローのために前に出る描写があるから、それを見て下がったのでは?と思ってます。

そして決死のスライディングしたせいで、右足の膝の下をザックリ切るけっこう派手なケガをしちゃうんですよね。傷の大きさからすると多分縫ったんじゃないでしょうか。競技場で応急処置して病院連れていったんだろうけど、歩かせると痛そうなので2年生がおんぶしていったらいいのにと思っています。背負われるマホかわいい(妄想)

このケガをきっかけに神谷さんがとうとうトシに切れるわけですが、試合が終わってそそくさと美奈子ちゃんのところに行っちゃうトシの浅はかさとか、神谷さんのブチギレ具合とか、止めに入る大塚さんとか、この展開がね~アオハルだよ~。回想で掛川の10番を巡るエピソードも出てくるしね。

この捨て身のスライディングで、マホはサッカー部内での立ち位置を不動のものにしたんじゃないかと個人的に思っています。もちろんすでにわだかまりはとけてるし、ちゃんと全員が仲間意識を持っている状態なんだけど、絶対的な信頼感を獲得したというか。トシはきっと後で謝ったんでしょうマホに。

このあともラインハルトのマークに苦戦するマホとか、良とマリーシア対決するマホとかいろいろ見せ場はあるんですが、初期のマホの好きな部分はこんな感じです。マホは基本的にいつ見ても有能だしかわいいです。

シュート! Goal to the Future 第2話感想

第2話です。ここまでは先行上映されてたのか…もうどうしたらいいのかわからん。

 

久保さんの11人抜きは久保さんが天才だということを示すためだけのものじゃないんだよ。結果的にそうなってるだけで。そもそも久保さんがやりたいサッカーは一人で全員抜くようなサッカーじゃなく、仲間と信頼し合って全員が実力を出しきるサッカーだし。だから11人抜きは燃え尽きる前の最後の炎なんだよ。自分にとって最後の試合、最後のゴールになるってわかっててやったことだから。強敵である掛北とのギリギリの試合だからこそ、たった一人で一点を取ってチームの未来を繋げたんだよ。神谷さんもトシもあの背中をずっと追いかけてきたんだよ。追いつけないとわかってても。

そのたった一度の奇跡を、単に実力を誇示して圧倒的な差を見せつけるために使うのは、久保さんとの別れを経験して、永遠の10番をずっと追い続けながら自分のサッカーで行けるところまで行くことを貫いてきた神谷さんたちを今でも愛してる原作オタクにケンカ売ってるのか?????としか言いようがない。それともこの後の話でめちゃくちゃ納得する神ストーリーが出てきて「あそこで11人抜き(?←厳密にいうと秀人は抜いてないから?をつけておく)をやっておいて正解だったね」ってなるのか?とりあえず3部の藤田東戦を10回読んでくれ。あとキーパーくんは寝てないでキャッチしなさいボールを。健二だったらなぎ倒してでも取ってるよ!

「小久保くんの11人抜き(?)」ですべてが吹っ飛んだ感のある第2話。アイキャッチには予想通り早々と登場しました神谷さんが。エプロンありがとうございます。私アニメって普段ほとんど見ないんですけど、アニメによくありがちな(偏見)大人のオシャレキャラポジに配置されてるよなこれ…。いや、イタリアに20年くらいいたわけだし実際大人になったからその辺はオシャレになってても別にいいんだけど。それなら無精ヒゲをオシャレヒゲにするとか何とかしたほうがいいと思う。ただでさえニキビ跡があるから無精ヒゲまであると顔がにぎやかなのよ。

ストーリーは野間田と練習試合することになり、小久保くんが秀人に「会いたかったよ~」っていうところから。小久保くんはこの世代の有名人らしく、掛高サッカー部員たちは「あの小久保公平!?」って神谷さんが来たときより驚いていました。マジかよセリエAにいたんだぞ?日本代表のMFだぞ?原作(読み切りだけど)だとW杯決勝まで行ってるぞ?

なりゆきで練習試合に加入することになる秀人くんはやっぱりシュートが決まらないけど、別に外してるわけじゃなくてキーパーにキャッチされてるんだよね。それならコースを誘導したディフェンスとキャッチしたGKを褒めるべきでは?知らんけど。

あっという間に点を取られてボロボロの掛高の中で、風馬くんだけが掛川は田仲・平松・白石のいたすげーチームなんだぞ!って1人で気を吐いています。それはいいんだけど、その中に馬堀も入れてやってくれ…。海外組だよ!しかもレアな南米だぞ。女性関係で何かやらかしていない人扱いされてるんだろうか。とか書いてたら悲しくなってきた。マホは本当に女性関係にだけ気をつけてほしいと心から願っています。

過去の掛川がどれだけすごかったかを力説する風馬くんに「そんなことは過去の話だ。サッカーでボールが後ろに行ったら敗北へのカウントダウンだ。勝利は前にしかない。勝ちたかったら前に進め」という神谷さんはカッコよかったです。そうなんだよ、神谷さんはすごいプレーヤーだったんだよってクダを巻くのはオタクだけでいいんだ。現役なのは風馬くんとか秀人とか、君らなんだから。神谷さんが過去の栄光を語るキャラにならなかったのは救いである。

それにしても秀人がサッカーと公平にトラウマを抱くようになったのは、公平がいなくなる→シュートが決まらなくなる→陰口をたたかれる→サッカーがいやになる→お前(公平)のせいで…!という流れなのか?それならちょっと逆恨みが激しすぎるのでは?それに公平はイギリスにサッカー留学してたのかと思ったら、お父さんが転勤になっただけでした。

試合後半になると相手校のメンバー交代で公平がin。秀人好き好きアピールがすごい。公平くんが秀人に抱いている感情がなんなのかは、架空の人物とはいえ個人のことなのでこれといって何とも思わないのですが、試合中に相手チームとしゃべりすぎである。チームメイトからもツッコまれてるぞ。そして秀人が期待に応えてくれないと分かると、腹いせに11人抜き(?)をして「練習にならない」といって去っていくという…サイコパスやん。グダグダで終わる練習試合の後、相手チームの監督に礼儀正しい神谷さんを見て斉木さんに敬語使う神谷さんを思い出しました。

そして神谷さんはコーチを引き受けて、翌日は5時半から練習するそうです。当時もそんなに朝早くからやってたのかな?お母さん大変だっただろうな。エンディングの猫は健在でした。

(たぶん第3話につづく)

シュート! Goal to the Future 第1話感想

2022年7月2日、神谷篤司が頭に猫を乗せた記念日である。

シュート!の続編が令和の世に作られるというのは、90年代当時の記憶をしっかりと残している原作オタクの私にとって朗報なのか悲報なのか判断がつかないものでしたが、見ないという選択肢はなかったので、AT-Xリアタイすることにしました。

感想はいろいろあるんですが、EDで神谷さんが頭に猫を乗せているカットに思考能力をすべて持っていかれたので、まずその話をしよう。神谷さんは当時から人気のあるキャラクターでしたが、登場するときはだいたい「サッカーの試合」「サッカーの練習」「サッカーの試合観戦」のどれかをしているので、日常生活の描写が驚くほど少ないのである。原作は66巻もあるのに、私服で登場したことすら3回くらいしかない。しかも私服は微妙にダサい。

主人公じゃないので仕方ないといえばそれまでですが、それでは満足できない神谷篤司オタクは「こんな服着たらいいのに~」「教室ではこんな感じ~」などと妄想してきたわけです。

それが令和の世になって、猫を頭の上に乗せてちゅーる的なものを取り出すという二次創作にしか存在しなかった神谷篤司が急に公式になり、あまりにびっくりして夜中に奇声を発するところでした。ええええ…かわ、かわいいんだけど…?このEDを見るために毎週見るしかなくない…?え?神谷さんどうしたの?この神谷さんならキャラソンとか出しそう。とりあえず猫を乗せてくれた人と乗った猫にお礼を言いたいですありがとうございます。

あと神谷さんがスマホを使っていてヒャアってなりました。いやもう令和の世の中なのでスマホくらい普通に使うだろって話なんですけど、何せ原作ではインターネットのイの字もない90年代前半に高校生やってた人なので、二次創作の現パロを目撃したような衝撃がある。あ~そのスマホに赤堀さんとか大塚さんとかトシとか和宏とかマホとか斉木さんとか内海さんの連作先が入ってるんですよね?プライベートの写真とか入ってるんですよね?夢があるわ…。

ストーリーのほうはというと、予想外に楽しめました。まず、サッカーにトラウマを抱えていてサッカーから遠ざかっている主人公というのは新しい。原作だと基本的にみんなサッカーが大好きで、サッカーやりたくて仕方ない子ばっかりなので。虚無な感じでFPSやってるのが現代っ子って感じです。

回想シーンから察するに、幼なじみの小久保くん(この名前が意図的だわ~)とコンビを組んでいた頃はバンバンシュートを決めるストライカーだったのに、小久保くんがいなくなった途端に決まらなくなったって感じなのかな?小久保くんだけ秀人を「しゅーと」って呼んでるのがかわいい。

FPSでミスってフレンドと「フォローがない」「オレらのせいかよ」とギスギスしたところで、シュートが入らないことをチームメイトから責められた過去がよみがえり、荒れる秀人くん。情緒が不安定すぎる。サッカーのことはおいとくとしても、パーティー組むオンラインゲームではミスを責める人とか他人のせいにする人がいると絆崩壊確定なので、個人的には最初に秀人を責めたフレがよくないと思います。

ここで秀人の家のリビングにあるテレビで掛高サッカー部の話題が流れるんですが、ヤマ○FC時代の久保神谷が一瞬映ってにっこりしました。後頭部がシャキシャキしていたころの神谷さんです。でもこの写真、ここではちゃんとヤマ○のユニフォームなのに、あとから出てくるのは同じアングルで違う服なんだよね。謎。

1話終盤では噂の小久保くんも登場したことだし、きっと次回あたりで秀人の過去が明らかになるのでしょう。秀人はお母さんと2人暮らしみたいですが、これお姉さんだったらいいな。大原姉弟みたいな感じで。

サッカーシーンはというと、原作&旧アニメではHPを消費する感じだったのが新アニメではMPを消費する感じの演出になっていました。異世界系のアニメと思った。メインキャラの中では掛高サッカー部に憧れて入ってきた熱血な風馬くんがよかったです。背番号7番だしがんばってほしい。たぶん神谷篤司本人よりオタク(私)のほうが7番に対する思い入れがある。

肝心の神谷さんはものすごい冒頭から出演していましたが最初はどう見ても不審者です。なぜそんなに神出鬼没に秀人を…?秀人の過去や実績を知っていてチームに引き込む目的だったのかな?PK勝負のあと、風馬くんから「神谷篤司だ!」って言われてたけど、「掛川高校出身でイタリアのセリエAで活躍した(元)日本代表」的なセリフがないと、原作知らない人とかPV見てない人に伝わらなくない?回想シーンで「あ~卒業生なのね」っていうのは分かるけど。イタリアと日本代表はぜひアピールしてくれよ~、これじゃあなんか暇なOBが来たみたいな感じに受け取られても仕方ないぞ…。

アラフォーの神谷さんは不審な闇のオーラを放ってるように見えるかもしれませんが、久保さんとともに掛川高校サッカー部を創った当人であり、冬の選手権とインハイ連覇したときのキャプテンだったんですよ。17歳でイタリアに渡ってセリエAでプレーしたすごい人なんですよ。とここでアピールしておきたいと思います。

神谷さんが掛高サッカー部のコーチに就任したきっかけは、磯谷先生に推薦されたからという割とあっさりした感じでした。ここリアリティー出すなら、地元でプレーしてた健二・佐々木・新田あたりがコーチには適任だろう。でも原作ファンを新アニメに呼ぶには神谷さんが最適解なので仕方ありません。

神谷さん本人はコーチにめちゃくちゃ乗り気という感じではなく、PK勝負を見つつ心の中で久保さんの「神谷…後は頼む」という声を心の中でリフレインしています。そこで秀人のシュートを見て最終的に決意した感じかな?秀人と風馬くんのPK対決では秀人の才能の片鱗が見えるわけですが、風間くんはフィールドプレーヤーだけどGKもできるんですかね。PKって蹴る方が有利なのに半分以上入ったら勝ちなのか?といろいろ謎が多い。

そして高校生のコーチやるくらいだから現役引退してるんだろうけど、自分のサッカーで行けるところまで行く日々が終わってしまって、神谷さんもちょっと立ち止まってるのかな…と思うと切なくなった。セリエAでの華々しい活躍がほぼ描かれないまま引退後の神谷篤司を見るのはつらいんですよねやっぱり。サッカーしてる神谷さんをもっと見たかった。

スポーツ選手だから引退を免れることはできないわけですが、それまで一体だった自分のサッカーと自分自身が少しずつ剥離していって、ピッチを去ることを決めて心の中に新しい虚無が生まれたときに、神谷さんが戻ってくるのは久保さんのところなのか……。「神谷…あとは頼む」を数十年後のサッカー部のことにまで当てはめるのは明らかに拡大解釈なわけですが、自分が立ち止まってしまったタイミングでコーチの話が来て、そこに久保さんのこの最後の言葉が浮かんできたんだろうな~と思っています。この一言がなかったら受けてないよねきっと。

神谷さん大人になったけど、今でもどこかに16歳の神谷篤司がいるんだな。余談ですがあなたのオタクも25年前とまったく同じテンションです。

しかし新アニメでは、神谷さんの現在のアレコレとか久保さんのエピソードとかどの程度出てくるのかまったく分からなくてガクブルものだったんですが、第1話を見た感じではあまり深く掘り下げないような気もする…。いにしえのオタクにとっては死活問題ですが、新アニメのストーリー的にはそこまで重要じゃないし。

そしてCM前?あけ?の秀人が歯みがきしてるワンカット、これ毎週変わるならそのうち神谷さん出てくるでしょ。それからEDの謎ダンスは、いちおうサッカーアニメなんだからリフティングにしたほうがよかったと思う。

回想シーンの掛西トリオと神谷少年はかわいかったです。毎回静止画でいいんで原作キャラを出してほしい。

(たぶん第2話につづく)

アラフォーの神谷篤司に思いを馳せる

新アニメの神谷さんは「イタリア名門チームでプレーした伝説の闘将」とすでに過去形なので、「引退」がどう描かれるのかがめちゃくちゃ気になるわけです。いや、主役世代じゃないからそこまで詳しく描かれない可能性もありますが…でもこのアニメ企画した人、神谷さん好きでしょ?そうだよね?そのへん描くよね?

ハッキリ言うと神谷さんが現役を引退しなければならないのはめちゃくちゃ悲しいです。悲しいです。大事なことなので2回言いました。

スポーツ選手である以上、引退を免れることはできないけれど、まずユーベでの華々しい活躍をほぼ妄想で補完しつつ視聴しなければならないのはかなりしんどい。私はあまりサッカーに詳しくないので、知名度とか活躍度からするとヒデみたいな感じかな~と想像しているんですが、基本的にサッカー選手って引退すると過去の人的に扱われがちじゃないですか。引退後のセカンドキャリアがうまくいかず身を持ち崩すみたいな話もあるし。

母校・掛川のコーチをするというのは、シュート!の「継承」というテーマ(これは私が勝手に思ってるだけですが)に沿ったものだと思うけど、神谷さんが16歳のあの日から貫いてきた「自分のサッカーで行けるところまで行く」という日々がもう終わってしまったのかなぁ…と思うと本当に悲しい。もし現役引退してないにしても、その日が近いことは確実なわけなので…。

「ユーベに行ったところで終わらせといてくれてよかった」という気持ちがある一方で、「新アニメでどう描かれるのか気になる」という気持ちもあって、心境は複雑です。

「ユーベの神谷篤司」で止まっていた時間を動かすのは罪深いよ~。いやでも楽しみではあるんですけどね。現実とリンクしている作品はこういうとこがつらいなホントに。

あと結婚してるかどうかも気になるところですが、これは多分していないでしょう。結婚してたら、高校生のときと同じ髪型で無精ヒゲスタイルでは出歩かないと思う。ユーベ時代のツンツンオールバックはそのとき付き合ってたイタリア女子の影響だと(勝手に)思っています。メタ的に考えると結婚してたら2話から視聴率ガクンと落ちる可能性があるからそんな危険は冒さないよね…きっと…。

神谷さんの孤独が癒やされてほしいとは思うけれど、それ以上に孤独でいてほしい願望がやっぱりあるんですよね。どれだけスターになっても大金を得てもサッカーがうまくなっても、「あいつとここに来たかった」という埋められない心の穴を抱えていてほしい。あの日のあのグラウンドに置き去りになっている心の端っこを、探し続けていてほしいのです。

シュート!にハマったきっかけと自己紹介

シュート!にハマったのは1993年末~1994年くらい。もともとSM○Pが好きで、映画(1994年3月公開)をやるというので軽い気持ちでコミックスを買ったのがきかっけです。映画は公開前の試写会に行ったとき、健二が頭でボールを受け止めるシーンに「そういうことじゃない…」と思った記憶があるので、映画本編を鑑賞するよりも先にコミックスを読んだと思います。

当時はオタク的なカルチャーというのがそこまで一般的でなく、私自身もアイドルとマンガが好きなただのガキんちょだったわけですが、シュート!で初めて二次元の存在二落ちるという経験をし、そのあとは普通にオタクとして成長しました。

神谷さんに落ちた瞬間というのは今でもすごく鮮明に覚えていて、2巻で1年生vs2年生の試合をしたあと、トシが足を痛めてうずくまったときに介抱して「こんなんなるまで走り回りやがって…」というシーンです。

ここはそれまで威張りまくってた神谷さんがぶっきらぼうなやさしさを見せるシーンなわけですが、それで「え…何この人…好き…」となり、オタクとしての人生が始まりました。

そこでコミックスを集めてマガジン本誌も読むようになり。マガジン本誌に手を出したのは、冬の選手権が連載されていた頃だったと思います。

余談ですが1993年はJリーグがスタートした年で、サッカーが盛り上がってたんですよね。ドーハの悲劇とかもあったし。サッカー選手はCMとか出まくってたし。マガジンではシュート!のほかにJドリームも連載されていました。私のまわりではシュート!よりもJドリのほうが人気で、シュート!のことを語れる人はほぼいなかったと記憶しています。

ちなみに作画的に好きな神谷さんはラインハルト登場~無印終了くらいで、ユースの遠征でバッハブルグを水浸しにして「ラインハルトの足元にも及ばねェ」といっているケンカっ早い顔(とセリフ)がめちゃくちゃ好きです。高2には見えないけど。

シュート!のあとに渡り歩いたジャンルでは二次創作とかいろいろしてきましたが、神谷さんに関してだけは別で、ただひたすら原作を愛してます。旧アニメすら放送当時は神谷さんに声がつくのがイヤという理由で見なかったし…(でも主題歌のCDは買った)。今はいい年齢になりましたのでいろいろ楽しませていただいております。

振り返ってみると、自分の性癖を決定づけたのは神谷さんだと思う。基本的に癒やされない孤独を抱えたちょっと根暗な黒髪キャラに落ちがちです。